2010年02月

郵便不正「村木被告は冤罪」…部下の前任者証言

 郵便不正事件に絡み、偽の障害者団体証明書を発行したとして虚偽有印公文書作成などの罪に問われた厚生労働省元局長・村木厚子被告(54)の公判が16日、大阪地裁であった。

 共犯とされる元係長・上村勉被告(40)の前任だった村松義弘元係長(現・関東信越厚生局課長補佐)(48)が証人出廷し、村木被告が証明書発行を指示したことを否定し、「村木被告は冤罪(えんざい)だと思う」と述べた。

 検察側主張では、村松元係長は2004年2月頃、厚労省企画課長席で、村木被告に自称障害者団体「凛の会」元会長・倉沢邦夫被告(74)(公判中)を紹介され、「ちょっと大変な案件だけど、よろしくお願いします」と証明書発行を指示された、とされる。

 これに対し、村松元係長は「企画課長補佐から呼ばれ、倉沢被告とあいさつした」としたが、村木被告の言葉については「記憶にない。(調べに対し)自分の類推だった」と述べた。

 また、証明書発行について「課長補佐から『国会議員から課長のところにきた案件だ』と聞かされていた」とする供述調書についても「私の口からそんなことを言った覚えはない。そんなことはなかったと思う」と証言。上村被告に証明書発行の件を引き継ぐ際、「上の立場の人から降りてきた話」と伝えたとされることについても、「今の記憶では、はっきり覚えていない」とした。

 さらに、捜査段階の調べについて、村松元係長は「上村元係長が逮捕された直後に『自分は捕まらないですよね』と尋ねると、検事から『洗いざらい言ってくれないとわからないよ』と言われた」と述べ、村木被告の指示を認めた調書に署名したことについては、「細かい表現まで確認しないまましてしまった」と証言した。

<民事再生法違反>特定債権者のみに弁済 容疑の数人逮捕へ

 ITシステム開発会社「トランスデジタル」(東京都港区、民事再生手続き中)が経営破綻(はたん)前に、一部の債権者に優先的に債務弁済したとして、警視庁組織犯罪対策総務課は同社社長(44)ら数人を16日にも民事再生法違反(特定債権者への担保の提供等)容疑で逮捕する方針を固めた。同法は特定債権者への不公平な弁済を禁じており、捜査関係者によると、同容疑での立件は初めて。

 トランス社は08年8月に新株予約権の発行で31億円を市場から調達したと公表したが、5日後に民事再生法の適用を申請しており、警視庁は資金調達の経緯や資金の流出先を解明するとみられる。

 捜査関係者らによると、トランス社は08年8月27日に31億円の資金調達を公表。その翌日に不渡りを出し、同9月1日に民事再生法の適用を東京地裁に申請、経営破綻した。ところが、トランス社の幹部らはその直前に債権者の男性に約1億数千万円を弁済し、一般債権者に損害を与えた疑いが持たれている。

 市場関係者によると、この男性はトランス社の子会社だったこともあるワイン輸入販売会社の実質的経営者とされ、トランス社に約3億円の債務保証をしていたという。

性同一性障害の夫「嫡出子」認定を法相に直訴

 性同一性障害で女性から性別を変えた兵庫県宍粟市の男性(27)が、第三者の精子を使って妻との間に人工授精で生まれた子を「非嫡出子(婚外子)」として届けるよう同市から指示された問題で、この夫婦らが15日、千葉法相と面会し、「嫡出子」として認定するよう求めた。

 面会後に記者会見した男性によると、千葉法相は「嫡出子として認める方向で検討する。当事者と話を聞く場を設けることも検討したい」と述べ、方針変更に前向きな姿勢を示したという。

 夫婦は昨年11月、市に出生届を出したが、法務省は「生物学上は同性同士で、子をもうけるのは不可能」との見解で、市は12月、法律上の婚姻関係にない男女から生まれた「非嫡出子」として届けるよう求めた。

 男性は記者会見で「国から男性だと認められたのに、なぜ父親と認められないのか。性同一性障害として悩んできた日々よりつらい思いをしている」と訴えた。

東大阪市が国民健康保険料 10億円“取りすぎ”

 大阪府東大阪市が平成20年度の国民健康保険の算定を誤り、一部の被保険者から保険料を過徴収していたことが15日、分かった。同日開かれた市議会全議員協議会で、市が明らかにした。国や府からの補助金も過大に受給しており、過徴収と過受給額の総額は10億円を超える見込み。過徴収分などについては返還する方針だが、対象となる被保険者の中には死亡したり転居したりしているケースもあり、対応は難航しそうだ。

 ミスは10年近く前から続いていたとみられ、総額はさらにふくらむ可能性がある。

 市によると、算定ミスがあったのは40歳以上、65歳未満の被保険者数。実数は6万人あまりだったが、集計システムのプログラムにミスがあり、約7万人で計算されていた。

 国や府に対しても、水増しされた被保険者数を報告しており、補助金も過大に受給していたという。市は被保険者からの過徴収と過受給額の確定作業を進めているが、市が過去にさかのぼって調べたところ、計算ミスは平成14年度から続いていた。

 今月、20年度の保険料額を精査する過程でミスが発覚。市はこの問題について対策本部を設置し、プログラムミスの原因究明を進めるとともに、今後の対応策を協議していく。

<労働保険審査会>マツダ元派遣男性の失業手当延長を裁決

 マツダ(広島県府中町)の元派遣労働者の男性が「派遣と期間工との間で雇用形態が違法に切り替えられたせいで、失業手当の受給期間が短くなった」と訴えていた雇用保険の再審査請求で、男性の受給期間を90日とした広島公共職業安定所長の処分を労働保険審査会が取り消し、「受給期間は180日」とする裁決をしていたことが15日、分かった。裁決は2月10日付。同審査会は、雇用保険の給付処分などに関する行政不服審査を行う国の機関。同様に受給期間延長を求めている労働者も多く、影響が広がりそうだ。

 広島市中区の本澤正さん(43)が昨年8月、再審査請求していた。本澤さんは04年12月に派遣会社に雇用され、マツダ本社工場に勤務。雇用形態が4年の間に4回、派遣とマツダが直接雇用する期間工に切り替えられた末、08年12月に雇い止めとなった。失業手当は90日分支給された。

 しかし、雇用保険には同一雇用主の下で3年以上働いたとの条件を満たせば、「特定受給資格者」として失業手当の受給期間が延長されるルールがあり、本澤さんはこれに該当すると主張。180日に延長することを求めて広島労働局に審査請求したが、昨年6月に棄却された。

 今回の裁決は、マツダが期間工として雇用したのは「(製造業での派遣労働者の受け入れ期限が最長3年という)法律上の義務に形式的に対応するためだった」と認定した。

 広島労働局は、こうした雇用形態を違法として昨年6月、マツダを是正指導している。【樋口岳大】
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